貧困をなくす立場から論陣を張った森永卓郎さん(独協大学教授、経済アナリスト)は、「有効求人倍率の改善にはからくりがある。非正規の求人が含まれているからだ。正社員のみの求人倍率は、2007年7月で0.59倍。つまり、求職者10人に対して、正社員の求人は6人以下だ。そして2001年度から2005年度にかけての雇用者報酬(全労働者に支払われた総賃金)は非正規労働者の増大で8兆5千億円も減少。ところが、企業の利益は、逆に10兆1500億円も増えている。もし、日本企業がグローバル競争に勝ち抜くという理屈なら、人件費の節約分を製品価格の引き下げに振り向けるはずなのに、実際は、人件費の下落を上回る分が、まるまる企業のもうけになっている。2001年度から2005年度までの4年間で、企業が払った株主への配当金は3倍に増え、2001年度から2006年度の5年間で、大企業の役員報酬は倍増している。非正規労働者を増やして労働者の給料を下げておき、自分たちの儲けを5年で倍増させた。企業が労働分配率を低めているから格差と貧困が拡大した。これが小泉構造改革の本質だ」と喝破しました。